- 最近、カウンセリングに行くのが辛い…
- カウンセリングを休みたくなる時がある…
- カウンセリングに行きたくないのはどうしてだろう…
カウンセリングに通っていて上のような気持ちになることはありませんか?
カウンセリングは自分の困りごとに向き合う過程であるため、このような気持ちになることは実は珍しくありません。
しかし、珍しくないからといって、辛い気持ちを我慢するしかないわけではありません。カウンセリングが辛い原因を確認して、取れる対策を考えることはできます。
そこでこの記事では、カウンセリングが辛くなっている方に向けて、その対策について解説します。
まず基本的な対策についてお伝えし、次に、カウンセリングが辛くなる理由ごとに個々の対策についてお伝えします。
カウンセリングに行くのが辛いときの基本的な対策
カウンセリングに行くときが辛いときの基本的な対策は、カウンセラーにその辛さについて率直に話してみることです。
こういった話をすることは時として勇気がいるかもしれません。ですが、カウンセラーに自分の気持ちを伝えて話し合うことはとても大切です。
それを通して、カウンセラーはあなたについてより深く知ることができ、あなたをより適切にサポートするための対策や軌道修正をはかることが出来ます。
また、こういった話が出来るようになるとカウンセラーとの関係性の風通しもよくなり、信頼関係もより深まるでしょう。
カウンセリングに行くのが辛い理由と対策
では次に、カウンセリングに行くのが辛いと感じるさまざまな理由と、それぞれの理由に応じた対策(上記の基本対策以外の対策)について解説していきましょう。
1.自分の気持ちや困りごとに向き合うことがしんどい
これは自分に向き合うこと自体に含まれる辛さと言えるものです。
カウンセリングの過程では、自分がこれまで抑え込んできた感情が出てくることがあります。また、目を背けてきた問題に直面したり、考え方の癖や思い込みに気づくこともあります。
これらは気づきという意味ではある種の解放や新たな視点をもたらすこともありますが、時に苦しいプロセスでもあります。
そのためカウンセリングに行くこと自体が辛くなるものと思われます。
対策
カウンセリングの経過のなかで時に苦しくなることは、ある意味カウンセリングのプロセスが進んでいることでもあるため、避けられないものではあります。
このように「苦しさも必然的なプロセスであり進歩である」と思うことで、多少、前向きになれるかもしれません。
しかし、自分と向き合うペースが速すぎたり、その強度が急すぎるために苦しい場合もあります。
その際は、カウンセラーに相談してカウンセリングのペースややり方を調整したり、一人で出来るセルフケアを検討する必要があるでしょう。
2.カウンセリングでうまく話せないと感じる
カウンセリングでうまく話せないと感じるためにカウンセリングが辛くなることもあるでしょう。
カウンセリングで自分の気持ちや考えをうまく言葉にできないときもあれば、話すことが出来たもののカウンセラーの応答を聞いて「うまく伝わっていないみたいだ…」と感じること思います。
そういうことが続くとカウンセリングに行くことが苦痛になると思われます。
対策
まず1つの前提として、カウンセリングではうまく話す必要はありません。
カウンセリングで扱うような困りごとというのは、自分でもどういうことだかよく分からなくて困っているのであり、それを言葉にすることが難しいのは当然です。
少しずつ、試行錯誤しながら、自分の気持ちや考えについて考え、言葉にし、それを人と共有し、時にそれらに失敗する…という体験そのものが大事です。この体験を通して、自分についてより知ることや、困りごとと距離を取ることが可能になっていきます。
このように「うまく話すことよりも、こうやって試行錯誤していくプロセスが大事なのだ」と考えてみることは助けになるかもしれません。
3.カウンセラーと合わない感じがある
カウンセラーと合わないように感じてカウンセリングに行きづらくなることもあります。
カウンセラーの雰囲気や言葉づかい、ちょっとした態度などが漠然と合わないように感じる場合もあれば、きっかけとなるような出来事によって合わないと感じる場合もあるでしょう。
後者のきっかけがある場合というのは、カウンセラーに理解されていないように感じたことや、カウンセラーの態度によって傷ついたことなどが多いかもしれません。
カウンセリングも1つの人間関係です。このようなことが続くと次第にカウンセリングに通うことが辛くなる…ということは往々にして起こることと思われます。
対策
上記についてカウンセラーに正直に伝えることができれば一番です。カウンセラーと話合うなかで解決できれば信頼関係がより深まることでしょう。
また、カウンセラーとの間には自分の対人関係のパターンが出やすいため、その「合わなさ」について考えていくことによって、自分についてより深く知ることが出来る場合もあります。
しかし、カウンセラーに伝えることがあまりに辛い場合や、そういった話合いをしても気持ちがおさまらない場合もあるでしょう。そういったときには他のカウンセラーを探すのも1つの選択肢になると思います。
4.カウンセリングが役に立たない感じがする
カウンセリングに通っていても、カウンセリングが役に立っているとは思えず行きたくなることもあるでしょう。
カウンセリングは自分に向き合うという大変な作業である上に、そこには少なくない金額の支払いが生じます。日々の生活の合間に通い続けるという大変さもあるでしょう。
このような大変さにも関わらず「効果がない」「意味がない」と思うようなことが続けば、次第に行きたくなくなるのは自然なことです。
対策1
このような場合、自分がカウンセリングに期待しているものと、カウンセリングで目指されているもの・提供されているものの間にズレがないかを考えてみることが大切です。
例えば、対人関係のパターンについて考えたいのに対処療法的なアドバイスをされる、反対に、具体的な対処法を知りたいのに家族関係や性格傾向の話ばかりになる、など…
最初はズレがなくとも、時間の経過とともにズレが生じることもあるでしょう。このようなズレがそのままになっていると、カウンセリングが役に立たない感覚が強くなっていくと思われます。
カウンセラーとこの点について話し合い、改めて何に焦点をあてていくかを共有することが大切です。
対策2
自分の抱いているカウンセリングに対する期待についてふり返ってみることも助けになると思います。
カウンセリングは即効性があるものではありません。この点について見聞きし理解していても、苦しい最中にいると、時として即効性を求める気持ちになるのは当然でしょう。
改めて立ち止まり、自分の中にあるカウンセリングに対する期待値がどの程度のものなのかを考えて、適性な水準に調整することは長い道のりを少し楽にしてくれるものと思います。
5.カウンセリングで話すことがない
カウンセリングで話すことがないように感じて行きづらくなる場合もあるでしょう。
実際は、そう思いながら行ったとしても「今日は話すことがないです」など話しているうちに話したいことが出てくることもあれば、カウンセラーが話すきっかけを作ってくれることもあります。
それでも話すことがないように感じて行き辛いのは、「話すことがない」と伝えるとカウンセラーに咎められるのではないかと心配に感じているのかもしれません。
対策1
カウンセラーに「話すことがない」と伝えたら咎められるのではないか…という点に関して、まず1つお伝えすることがあります。
それは、多くの場合、カウンセラーは「話すことがない」と言われることには慣れており、それを咎めたり責めたりはしないということです。
カウンセラーは「話すことがない」ということやそれにまつわる気持ち自体も、それまでの経過と照らし合わせて理解し、あなたをより適切にサポートするための情報として受け取ります。ですので、「話すことがない」ときにはそのまま伝えてみて下さい。
対策2
カウンセリングで「あらかじめ話すことを考えてきてください」と言われているのに思い浮かばなくて困る、ということが続いているというケースもあるでしょう。
その場合、恐らく、カウンセリングで「何について話すか」という問題設定が現実とマッチしていない可能性があります。
カウンセラーにそのことについて伝えて、軌道修正を図ることが大切になります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。カウンセリングに行くことが辛いときの理由と対策について解説しました。
基本的な対策に書いたように、一番はカウンセラーに相談することです。その際に、個々の理由のところであげた対策についてカウンセラーと一緒に相談できるとなおよいのではないかと思います。
カウンセリングは長い道のりで、時に苦しくなることもあるプロセスです。皆さんがその道のりをカウンセラーと共に着実に歩んでいくことが出来ますように。
この記事が少しでもお役に立てば幸いです。