カウンセラー

信頼できるカウンセラーの選び方:3つのポイント

カウンセラーの選び方

 カウンセリングを受けようと思ったとき、信頼できるカウンセラーに相談したいと思うのは当然です。

 しかし、ネットで検索してみると、たくさんのカウンセリング機関があるのでどれを選べばいいか迷ってしまう…そんなケースが多いのではないでしょうか。

 この記事では、ネット上のたくさんの選択肢の中から信頼できるカウンセラーを選ぶにはどうすればいいのかについて説明したいと思います。

資格をもっているカウンセラーを選ぶ

 最初のポイントとしては、カウンセラーが「資格をもっているか」を確認しましょう。

 日本では、カウンセラーと名乗ることやカウンセリングをすることは誰にでも可能です。

 医師や弁護士は資格のある人しかその職業を名乗ってはいけませんが(こういう資格を業務独占資格と言います)、カウンセラーは資格をもっていないと名乗れないわけではありません。

 誰でもカウンセラーと名乗ることができるからこそ、「資格をもっているか」どうかは1つの大事な目安になると思われます。

資格は一定の知識と経験があることを示す

 資格をもっているカウンセラーがすべて信頼できて、資格のないカウンセラーがすべて信頼できないというわけではもちろんありません。

 しかし、資格を取得するには、ある一定の知識や経験が必要とされ、定められた専門的教育や試験への合格が求められます。

 「資格格をもっている」ということは、一定の知識と経験を保証する1つの指標になります。

倫理的問題が生じたときに資格団体に相談できる

 また、きちんとした資格認定団体であれば、多くの場合、倫理綱領倫理委員会というものが設置されています。

 これは、その資格をもつカウンセラーが相談者に対して秘密漏洩や搾取などの倫理問題をおこした場合、その問題を調査をし、時に資格の抹消や停止を行うためのものです。

 このような体制があれば、万が一、カウンセラーとの間で何か問題が生じた場合に相談することができます。

どの資格をもったカウンセラーを選ぶか

 カウンセラーの資格はさまざまあるので、どの資格ならば信頼できるのか迷ってしまうでしょう。

 一定の知識と経験、倫理問題への体制という点からいえば、民間資格として長い実績のある「臨床心理士」や、心理支援の初の国家資格である「公認心理師」が、専門性や資格団体の規模としても確実かと思われます。

 「産業カウンセラー」「臨床発達心理士」なども、相談したい内容が産業分野や発達関係であれば適切でしょう。

 「臨床心理士」や「産業カウンセラー」は、資格をもったカウンセラーのいる機関を検索できるページもありますので、そちらを利用するとよいかと思われます。

 下記の記事にはカウンセラー資格の種類について解説していますのでご参考にしてください⤵

秘密が守られる場所でカウンセリングをしているカウンセラーを選ぶ

 次にポイントとなるのは、カウンセリングを行う場所が秘密が守られる場所であるかという点です。

カウンセリングには安心した空間が必要

 カウンセリングでは普段は人には話さないような事柄も話します。人には言えない秘密のことや、家族にも言わないようなプライベートで個人的なことを話すことも少なくありません。

 もし、誰かに話している内容をカウンセラー以外の誰かに聞かれるとしたら、クライエントは安心して話をすることが出来ないでしょう。

 また、カウンセリング中は気持ちが動揺したり、感情的になることもあります。そういった姿を第三者に見られると思ったら、やはりクライエントは思うままに話すをすることが難しくなるでしょう。

 このように、安心して話をするためには、人に話を聞かれたり見られる心配のない秘密の守られた空間が必要となります

 このことについて十分に理解しているかどうかという点は、カウンセラーを選ぶ1つの目安になるのではないかと思います。

オープンスペースでのカウンセリングは避ける

 このようなことをふまえ、カウンセリングを行う場所は面接室やカウンセリングルームと呼ばれる定められた場所が用意されるのが一般的です。

 医療や教育関係の機関によっては十分に設備がないため、その時々で部屋が変わる場合もありますが、それでも秘密が守れる空間であることがほとんどです。

 カフェなど他の人から見聞きされる恐れのあるオープンスペースでカウンセリングを行うと謳っている場合、クライエントの安心や安全を十分に配慮しているとは言えません。

 秘密の守られる安心できる一定の空間でカウンセリングを行っているかどうかを確認することは大事と思われます。

自己研鑽を継続しているカウンセラーを選ぶ

 3番目のポイントは、継続的な自己研鑽をしているカウンセラーを選ぶという点です。

カウンセラーに継続的な自己研鑽が必要な理由

 自己研鑽が必要な理由としては、まず、カウンセリングにまつわる理論や研究は常に発展し続けているため、その流れを追っていく必要があるということがあるでしょう。

 加えて、カウンセリングというのは1つの実践ですので、理論や研究を学んだだけでは出来るようにはなりません。自分のカウンセリングのやり方について振りかえり検証し続けることが必要です。

 また、カウンセリングは基本的にはクライエントと1対1の営みであり他の人の目がないため、自己研鑽を怠ると独りよがりのものになりかねません。そういった意味でも、他のカウンセラーと交流しながらの自己研鑽は欠かせません。

どのような自己研鑽があるか

 では、カウンセラーの継続的な自己研鑽にはどのようなものがあるのでしょうか。

1.知識を蓄えるための研修:セミナーや研究会、読書会、勉強会など

2.より実践に即した研鑽:ケース検討会やスーパーヴィジョン(経験のあるカウンセラーに複数人もしくは1対1で実際のカウンセリング経過について指導してもらうもの)など

3.カウンセラー自身がカウンセリングを受ける体験・もしくは技法を自分自身に実践する体験:この点についてはカウンセラーの立場や学派によって重視する程度が異なっています

4.学術団体(学会)への所属:規定の資格があればほぼ誰でも学会に所属することはできるため、学術集会への参加や研究発表など積極的な関わりがあることが望ましいでしょう

 1や4はホームページに書かれていることが多い印象がありますが、2や3に関しては書かれていない場合もあるため、事前に問い合わせてみてもよいでしょう。

まとめ

 以上、信頼できるカウンセラーを選ぶためのポイントについて説明しました。以下の3つになります。

1.資格をもっているカウンセラーを選ぶ
2.秘密が守られる場所でカウンセリングをしているカウンセラーを選ぶ
3.自己研鑽を継続しているカウンセラーを選ぶ

 カウンセリングを受けようと思い立ってから申込みに至るまで、悩む方も少なくないと思います。中でも、どのカウンセラーを選べばいいかという点については迷うことが多いでしょう。

 この記事が皆さまのお役に立つことができたら幸いです。

 

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中野カウンセリングオフィス
東京都中野区にあるカウンセリングオフィスです。臨床心理士、公認心理師。著者の詳しいプロフィール、カウンセリングサービスについては下記サイトをご覧ください。