- カウンセリングではどんなことでも対応してくれるの?
- カウンセラーにも「出来ないこと」ってあるの?
- 何でも話していいらしいけど、本当に何でも相談していいの?
カウンセリングを受けようと思った際、上記のようなことが心配な人もいるのではないでしょうか。
基本的にカウンセリングは心にまつわることであれば何でも相談してよいということになっています。
しかしカウンセラーにも「出来ること」と「出来ないこと」があります。そこで今回は、カウンセラーには「出来ないこと」について解説してみたいと思います。
そもそもカウンセリングとは何かについては以下の記事を参考にしてください⤵
病気や障害の診断をする・診断書を出す
精神疾患や障害(発達障害を含む)の診断やその診断書を作成するのは医師にしか出来ない「医療行為」であるため、カウンセラーには出来ません。
そのため病気や障害の診断をしてほしいときや、診断書が必要なときは、病院やクリニックにかかる必要があります。
少し詳しく…【業務独占資格】って何?
なぜ医師にしか出来ないかというと、医師の資格は【業務独占資格】だからです。
【業務独占資格】とは、その資格をもった人しか業務をやってはいけないと法令で定められている資格のことです。
資格をもった人以外がその業務を行うとリスクが高いため、法律で定められているのです。他に看護師や弁護士の仕事なども【業務独占資格】です。
もちろんカウンセラーとのやりとりの中で「もしかしたらこの病気/障害かもしれませんね」といった話になることはあります。
カウンセラーからみて必要と感じたときは病院への受診をすすめることもありますし、病院に受診した方がいいかどうかについての相談になることもあります。
しかし公的な診断や書類作成はカウンセラーには出来ません。
薬を処方する
病気や障害の診断と同じく、薬の処方も医師にしか出来ません。
もちろん薬の内服にまつわる不安や葛藤についての相談にのることはありますし、時には医師に内服についてどう相談すればいいかを話し合うこともあります。
しかし薬の処方や服用の中止や終結などの判断は医師にしか出来ない仕事であり、カウンセラーが出来ることではありません。
薬の処方や相談をしたいときは、病院やクリニックに行く必要があります。
人生における重要な選択を代わりに行う
カウンセリングはあくまでその方が問題について取り組み考え対処できるようになることを支援するものです。決定を肩代わりするものではありません。
そのため、職業選択や結婚・離婚など人生における重要な選択や決断をカウンセラーにしてもらうことは出来ません。
*ただし犯罪や自他の傷害にかかわるといった緊急の場合はこの限りではなくカウンセラーが何らかの介入をすることもあります。
相談者の友人や恋人になる
カウンセラーがクライエントの友人や恋人になることは【多重関係】と呼ばれ、多くのカウンセラーにまつわる資格において倫理違反とされている行為です。
少し詳しく…【多重関係】って何?
【多重関係】とは、カウンセラーがクライエントとの間で「専門家と利用者」という関係以外の関係をもつことです。
例えば「カウンセラーとクライエント」という関係でありながら、「職場の上司と部下」「親族」「友人」「恋人」でもあるというような状態です。
カウンセリングは「クライエントがしがらみのない第三者の専門家であるカウンセラーに相談をする」ものだからこそ、クライエントは安心して話ができ、カウンセラーも中立的な立場でその役割を果たすことが出来るのです。
【多重関係】をもつことはそのような枠組みを破壊することになり、ともするとカウンセラーによるクライエントの搾取に繋がりかねません。そのため倫理的に問題があるとされています。
ですので、クライエントがいくらカウンセラーに魅力を感じても,いくら「いっそ友人/恋人として支えてもらいたい」と思ったとしても、カウンセラーと友人や恋人になることは出来ません。
逆に言うと、クライエントの友人や恋人になろうとするカウンセラーは倫理的な問題があると思われますので早急に第三者に相談する必要があります。
倫理問題についてはこちらの記事も参考にしてください⤵
おわりに
いかがでしたでしょうか。カウンセラーが「出来ないこと」について解説しました。
カウンセリングに行く前に、自分が希望しているサポートはカウンセラーが対応できることなのかどうか確認して頂く参考にしていただければ幸いです。