- 病院でカウンセリングを受けたいけれど保険適用ってされるの?
- カウンセリングの費用は医療費控除できるの?
カウンセリングを受けようと思った際、上記のようなことが気になる方は多いのではないでしょうか。
病院やクリニックでカウンセリングが受けられるらしい…ということは知っていても、保険適用や医療費控除の対象になるのかについては知らない場合が多い印象です。
そこでこの記事では、医療機関でのカウンセリングの保険適用について、医療機関の探し方や留意点も含めて説明します。
早く結論を知りたい!という方のために先に結論を言いますと、以下の通りです。
詳細については以下の記事をお読みください。
保険診療と自由診療
まず、保険診療と自由診療の違いについて確認しておきましょう。
保険診療とは公的な医療保険が適応される診療のことです。私たちが普段、医療機関にいったときに受ける診療は多くが保険診療に該当するものです。
- 医療費の自己負担は基本的に3割
- 「この病気にはこの治療法」と細かく定められている
- 全国どこでも同じ料金で同じ治療が受けられる
一方、自由診療とは公的な医療保険が適用されない治療のことです。
- 医療費は全額自己負担となる
- 保険診療に定められていない自由な診療内容が可能となる
- 料金は各医療機関できめるため、まちまちである
もしカウンセリングが保険適用であれば、全国どこでも同じ料金、しかも3割だけの負担額で受けることができるということになります。
カウンセリングは保険適用されない
基本的にカウンセリングは保険適用となりません。
自由診療でカウンセリングを実施している医療機関もあり、その場合、料金は大体5,000~9,000円程度です。
しかし、自由診療でのカウンセリングは医師の診察とは別の日にカウンセリングを受ける必要があるなど制約がある場合があります。
自由診療でのカウンセリングについて具体的な料金や制約などを知りたい場合は.各医療機関に問い合わせて確認してください。
日本では保険診療と自由診療の併用は禁止されています。
そのため、医師による保険診療とは別の日に自由診療のカウンセリングを行うようにしている医療機関が多いようです。
保険が適用されるカウンセリング
保険診療でのカウンセリングというものがないわけではありません。それは以下のような場合です。
- 医師がカウンセリングが必要と判断し、医師によってカウンセリングが行われる場合
- 医師がカウンセリングが必要と判断し、医師の計画のもと、看護師や公認心理師によって行われる場合
1の医師が行うカウンセリングは、「通院精神療法」「認知療法・認知行動療法」「標準型精神分析療法」といった保険診療に該当するものです。
2の医師以外が行うケースは、医師の計画・指導のもと、看護師が「認知行動療法・認知療法」を行う場合や、公認心理師が小児の特定疾患に対してカウンセリングを行う場合があたります。
ただ、上記のいずれも時間や回数、料金(診療報酬)などの制限が多く負担も大きいため、実際に実施している医療機関は少ないようです。
カウンセリングが受けられる医療機関の探し方
では、カウンセリングが受けられる医療機関を探すにはどうすればいいのでしょうか。
下記のような医療機関の検索サイトで、お住いの地域にある「精神科」「心療内科」の病院・クリニックで「カウンセリング」を条件に検索する方法があります。
↑こちらのサイトには各都道府県の医療機関検索サイトがまとめられています。
↑こちらのサイトは全国の医療機関をさまざまな条件で検索することができます。
【専門的な治療・特色から探す】という箇所をクリックすると、そこから【心療内科・精神科】で【カウンセリングルーム】のある医療機関を検索できます。
↑こちらは厚生労働省のホームページですが、「認知行動療法を実施できるスタッフがいることを届け出ている医療機関のリスト」を確認できます。
認知行動療法を希望する場合は、こちらのリストを参考にしてもよいでしょう。
どの方法で検索した場合でも、事前に医療機関のホームページをみるか電話で問い合わせて、カウンセリングをしているのか、保険診療なのか自由診療なのかなど確認してから予約するとよいと思われます。
医療機関でカウンセリングを受ける際の注意点
カウンセリングを受けるために医療機関の受診をする際の注意点について、以下に説明します。
早めに予約をしましょう
精神科・心療内科の初診の予約はとりにくいことが多いと言われています。勇気を出して電話をしたのに初診の予約が取れたのは数週間先…ということもあるかもしれません。
なるべく早めに予約をとることをおすすめします。
カウンセリングをしない方がいいと言われることもある
こちらがカウンセリングを希望しても、病気の時期や状態によっては医師がカウンセリングをしない方がいいと判断する場合もあります。
もしそう言われた場合は、無理せずに医師の指示に従いましょう。どうしても納得できないときは、そう判断した理由などを医師に確認するとよいと思われます。
選択肢が限られている
カウンセリングがスタートするとしても、担当カウンセラーの性別や年代、カウンセリングの方法、カウンセリングを受ける曜日や時間帯などは限られており、必ずしも自分の希望通りにはいかないことがあります。
これは医療機関に限ったことではありません。所属するカウンセラーの人数は限られているためこのような制限は生じてしまうのが現状です。
どうしても希望する事柄がある場合は、事前に医療機関に問い合わせてみるといいでしょう。
カウンセリングは医療費控除の対象になるか?
カウンセリングが医療費控除の対象になるかどうかは、保険適用かどうかで決まります。
保険診療の枠組みでカウンセリングを受けた場合は医療費控除の対象となりますが、自費診療のカウンセリングを受けた場合は医療費控除の対象になりません。
おわりに
いかがでしたでしょうか。カウンセリングの保険適用や医療費控除について解説しました。カウンセリングを受ける際の参考にしていただければ幸いです。
他にも、信頼できるカウンセラーの探し方や、メンタルヘルスに関するリンク集、医療機関以外でカウンセリングを受けられる機関などについての記事もあるため、ぜひ参考にしてください。